カコワダ:「可逆性」

「おい、ワダちゃん。可逆性の理論って知ってるか??」


人材紹介業の会社にいたころ、たくさんのことを社長から教わりました。そのひとつが失敗を恐れるなということです。考えすぎて、身体がこわばってしまうこと、誰もがあると思います。思考停止してしまい、失敗したくないと思うと、次の行動が鈍ってしまいます。


「ええか、階段があって、踊り場の上から見下ろすと怖いやろ。でもな、そこから下に向かってえいっ!と飛んでみるんや」
「そしたら、足を骨折するかもしれん。でも、階段を3段しか飛んだことのない奴には絶対に負けへんで。15段飛んだ奴は、3段しか飛べない奴よりえらいんや」


社長は続けます。


「道路も一緒や。運転免許取り立てで、スピード飛ばしたらこわいやろ?でもな、あえて高速道路で猛スピードで走ってみるんや。そうしたら、一般道に出たときは、周りのことなんか気にならんくなるで」


「これを可逆性の理論っていうんや。失敗を恐れるな。どーんと大きい失敗をしても、俺が受け止めてやる。怖がらずに、飛ぶんや」


「誰しも、初めてのことは怖い。でもだからこそ、恐れずにやってみること。一時的に失敗して、怒られるかもしれん。会社に損害を与えるかもしれん。けどな。失敗を経験しておくと、次から大きい失敗はしないもんや。大きい人間になるために、失敗を恐れるな」


そんな話を聞かせてくれる度、社長は「まいったか!和田!わっはっはっー!!」と豪快に笑うのでした。この話は、たぶん20回以上も話してくださったように思います。インターン生を10人くらい雇ったときには、今度は、僕が彼らに話すようになっていました。僕が上手く話せないと、面談机の遠いところから社長が近づいてきて、「ええか。」とインターン生たちに語る社長は格好よかったです。

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失敗をして「間違えた!だめだ」と思って、ネガティブに捉えるか。
「間違えた!けど良い経験をした。次に活かすぞ」とポジティブに捉えるか。
一つ一つの積み重ねですが、蓄積されると大きな違いを生むように思います。


失敗は話のネタがひとつ増えたと思って、またがんばりましょう!
落ち込んでいる友人へ、生意気にもエールを送ります。