イニシエーション・ラブ

wadama552007-06-30

たまたま本屋で見つけた、乾くるみさんの小説『イニシエーション・ラブ』。


一見、初恋当時のほろ苦い気持ちにさせる恋愛モノかと思いきや、最後の2行で「え」と困惑、徐々に「やられた」と衝撃が。すごいミステリー小説です。


ミステリーファンの間ではハードカバー発売当時かなり話題になったのですね。ドラマ『男女7人夏物語』や『BOOWY』、『JR民営化』、『テレホンカード』など80年代のキーワードに懐かしさを感じていると、すっかり作者の仕掛けたミスリードにはまります。


散りばめられた伏線は軽く10を超え、まさにパズルゲームのよう。タロットカードの1枚をモチーフにストーリーを展開していく、シリーズもの(本作は"ラバーズ")とのことで、他の作品もすぐに読んでみたくなりました。単行本版の表紙写真にも複数のメッセージが込められていることをネタバレサイトで知り、感嘆。